消費税の引き上げについて

政府が6月９日閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針」（骨太の方針）に消費税率引き上げについての記述がなく、消費増税見送りの布石ではないかとの見方が出ていることに対し、官房長官は「社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会から国の信認を確保するために必要なものであることから、２０１９年１０月に（消費税）引き上げを実施する方針に変わりはない」と強調しました。「アベノミクスを加速させて経済財政運営に万全を期したい」と述べました。２０２０年度に基礎的財政収支（プライマリーバランス）を黒字化させる目標についても変わりはないとの考えを示しました。

格差是正で配偶者控除拡大

自民、公明両党は１２月８日、２０１７年度与党税制改正大綱を決定しました。焦点だった所得税の配偶者控除見直しでは、２０１８年１月から配偶者（主に妻）の年収要件を現行の１０３万円以下から１５０万円以下に引き上げ、女性の就労を促すということです。これを皮切りに、収入が多いほど税負担の軽減効果が大きくなる所得控除方式を見直すなど、格差是正に向けた同税の抜本改革に取り組む方針を明記しました。今回の改正に伴い、平年度ベースで３００億円規模の減税となります。内訳は国税が２００億円、地方税が１００億円の減税で、自民党税制調査会の会長は「数年かけて所得税改革を実現する１年目のスタートが切れた」と強調しました。具体的には、今後、課税額から一定額を差し引く税額控除や一部に課税しない「ゼロ税率」など低所得者に配慮した仕組みを検討するということです。第１弾の改革と位置付ける配偶者控除の見直しでは、夫の年収から３８万円を一律で差し引く対象となる妻の年収を１５０万円に拡大して、１５０万円超から２０１万円までは控除額を９段階で減らす仕組みとし、世帯の手取り収入が急に減らないようにするそうです。　一方で対象拡大による税収減を防ぐため、世帯主（主に夫）の年収制限を新設して、１１２０万円以下なら３８万円差し引くが、控除額は１１２０万円超で２６万円、１１７０万円超で１３万円に下げ、１２２０万円超でゼロにするそうです。個人住民税の配偶者控除も同様に見直し、２０１９年６月から適用するということです。これで主婦層の労働力が増えれば世の中にも家計にも良いこととなりますので、景気も多少は良くなるのかな？

訪日観光客に酒税も免税へ

　政府・与党は、２０１７年度の税制改正で、地方による訪日外国人の誘客を後押します。免税店として指定を受けた酒蔵やワイナリーで販売する日本酒やワインなどの酒税を免除して、価格を安くするということです。航空会社が国内線の運航の際に支払う航空機燃料税の軽減措置について２０１９年度末まで継続して、地方路線を利用しやすくするそうです。年間の訪日観光客数は、今年初めて２０００万人を突破し、３年間で２倍に急増しました。政府は「２０２０年に４０００万人」を達成する目標を掲げています。今後は人気の高い大都市だけでなく、訪日客が地方観光を一段と楽しみやすくすることが鍵になってくると見ています。酒税を免除すれば当然今より売れだすということなので、酒類関係者には非常にいい情報ですね・・・。

配偶者控除が１５０万円以下に・・・。

２０１７年度税制改正で焦点の一つとなっている配偶者控除の見直しをめぐって、自民党税制調査会は１１月２４日、妻の年収要件を現行の１０３万円以下から１５０万円以下に引き上げる方針を固めました。パートの妻が意図的に労働時間を調整するケースが多いとされることから、税制面で女性の就労を後押しする必要があると判断しました。これに関連して財務省は同日、見直しに伴い影響が及ぶ世帯数の試算結果をまとめ、自民税調に提示しました。妻の年収要件を１５０万円以下へ引き上げ、夫の年収に上限を設ける案では、３００万世帯が負担減となる一方、１００万世帯で負担が増えるとしました。夫の年収上限は１１２０万円以下とし、税収と控除額を維持する前提ということです。いずれにしても、年収を増やす主婦が増えるということはいいことだと思います。